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業者の説明に“翻弄”クリニックモールでも患者が来るとは限らない

開 業 日:H23年7月
開業年齢:52歳
標榜科目:内科
開業形態:クリニックモール

  前勤務先病院の人間関係もあり、開業を決意した。当時、別のアルバイト先の病院事務長に相談したところ、介護ケア付き高齢者専用住宅とクリニックモールがこの場所に建設されることを知りました。当時この場所は、さら地の状態でした。他の物件を見ましたが、内科・整形外科・眼科・皮膚科のクリニックモールで介護ケア付き高齢者専用住宅も経営されるなど、患者の確保が見込めると判断し開業することにした。クリニックモールは、大手スーパーが土地を所有しており、建設会社は、スーパー側からクリニックモールの管理業務も委託されて運営されていました。さら地の状態のときに、診療圏調査を3社から出してもらったが、全く役に立たなかった。医院の近くを線路が通り、線路の向こう側も患者見込み数になっていました。この付近の線路は小さい踏切も多く、線路向こうからも現在患者さんは来るようになっていますが、距離が近くても住民の意識として、線路や大きい幹線道路をはさんでいる場合やバスなどの交通機関の便からだけでは患者数を読めない場合があります。参考程度にしておいた方が無難です。
 病院事務長から紹介された医療機器卸業者に依頼し、開業準備を始めたがトラブルは沢山ありました。開業までのスケジュールが決められているが、レントゲンの搬入日が遅れそうになり焦りました。納品が遅れることで、保健所へ提出する書類の作成も遅れ、開業許可が遅れれば、開業予定日が1カ月遅れる事態になる。間に合いましたが、開業支援担当と営業部門では行き違いもあるので注意が必要です。また、内装工事は、設計図通りに施工されているか、点検することを勧めます。特にコンセントの位置は、パソコンや医療機器等の配置などで、当初の図面と設置場所を変更することもあり、修正を指示できるよう頻回に足を運びチェックすべきです。開業後には、洗面台の排水口から異臭がするなどトラブルは予想外に発生します。また、私以外の他のクリニックも同時に開業し、オープン時には高齢者住宅の入居が決まっているとの事前説明でしたが、実際は、高齢者の入居者はほぼゼロでした。更に、クリニックは私と整形外科だけのオープンでした。業者は「震災の影響があった」という説明がされましたが、真意は定かではありません。当初から集患に影響がでました。また、クリニックモールの中で、一番いい区画と勧められ開業したところは、商店街通りから見ると裏側になり、患者から「どこにクリニックがあるかわからない」といわれる状態です。商店街通路には調剤薬局が入り、目につくのはそちら側でした。クリニックの看板を出したいと申請しても、スーパー側の同意が得られないと簡単に断られました。家賃交渉もしたが、高めで金額設定されており、必ずスーパー側の意向が示され、運営会社の協力は期待するほどは得られないことを覚悟すべきです。また、駐車場代も周辺不動産の相場としては望外の高さで、契約時に「すでに他の方は賛同されています」と言われしぶしぶサインしてしまいましたが、本当はそうではなく、失敗したと思いました。契約前の色々な価格はじっくりと値切り交渉をした方がよいです。できれば交渉に慣れた方をパートナーに協力いただくのも手です。
 開業しても患者が来なく、非常なストレスが続きました。銀行から6000万円の融資を受け、運転資金は税理士の指導もあり2000万円を準備しました。万一の時に備え、自己資金も念頭にしておくと安心です。1年経過し、やっと口コミで患者数が徐々に伸びはじめたが、まだ安心できません。クリニックモールの開業でも、患者が来るとは限りません。開業の1カ月前は、オープンに向けてとても忙しい日々が続きます。医院経営、人事、労務など勤務医時代に経験したことが無いことが急激にかかわり、一方で予想外のことが発生するなど気が抜けません。私の場合、開業後も患者数が伸びないというストレスが加わりました。体調管理は、かなり注意が必要だと実感しています。

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