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開業事例

医師

女性起業家を支援する好待遇な融資制度を活用

開 業 日:H23年5月
開業年齢:39歳
標榜科目:婦人科
開業形態:一戸建て(所有地)

  勤務医時代、当然「当直」が勤務体系に組まれていましたが、私はそのとき二児の母。特別な配慮、つまり子どもがいることで当直なしの特別な勤務体系を組んでもらってはいたものの、そのことに甘んじている自分、また当直なしの週2~3回のパート勤務では真剣に患者に向き合えないと思いました。医師を志した理由、それは患者さんと真剣な気持ちで一から向き合いたい、病気を診るのではなく、患者さんとのコミュニケーションを前提に痛みや苦しみと向き合いたい。そんな以前から心の中にあった医師としてのやりがい、そして子育ても手を抜かずに母として子どもとの時間を大切にしたい、その二つの両立のために開業を決意しました。
 開業形態は一戸建てを選択。ビルテナントも考えましたが、テナント開業は多くの規制もあり、思い通りに事が進まないことや、何より毎月の賃料を払い続けるのであれば、自由にクリニック作りが出来る一戸建てで開業をスタートさせよう、そう思い勤務医時代からずっと貯めていた貯金により、駅から少し離れているものの、住宅街も近くにあり自分と同科のクリニックも少ない地域で、以前から気になっていたレトロな洋館の一戸建てを思い切って購入しました。
 しかし、それからが本当に大変でした。土地や建物は交渉により予想内の金額で購入できたものの、家に入り詳しく調査してみると、ビー玉を床に置けば、自分の下を離れ転がる始末。なんと家が傾いていたのです。そこで、予想以上の解体・内装工事費用がかかることが、購入してから判明しました。それからは、いかにして工事費用を予算内に収めるか、但し自分が納得のいくクリニックの雰囲気には近づけたい。その二つの気持ちの狭間で、妥協できるところは妥協し、なるべく多くの借金は作らないよう予算内に収めることを前提にクリニックの内装作りが始まりました。
 まずは資金。いくつかの金融機関と交渉に入ったのですが、そのうちの一つであった政策金融公庫では、女性起業家を支援する制度があり、設備資金に対する利率が優遇されることが判明。この制度を利用し、解体、内装、設備等の資金調達を計りました。工事については、大手ハウスメーカに全てお願いすると当然ながら予算をオーバーしたので、建設業界にいる親戚の紹介により、解体料込みで内装もお願いできる業者に出会うことができ、なんとか工事に着工。クリニックの机や椅子などの備品については夫と協力し、自分たちで寸法を測り、インターネットや通販など一番安い店を選択して購入するなどの工夫を行いました。また同科のクリニックで、自分の開業と同時期に閉院するところがあるということを先輩から聞き、その先生に交渉して、未だ使えそうな医療機器などを優遇した値段で譲ってもらったりもしました。内覧会においても、なるべくコスト削減を前提に、当日内覧会に来ていただいた方に御礼に渡すペンや紙袋なども専門業者に頼むのではなく、インターネットで一番安い店を探し準備。クリニックの紹介カードやチラシ、クリニックのロゴマークについても、デザイナーである自分の患者様のご厚意でクリニックのロゴをデザインしてもらいました。カードなどの印刷は、自分で近くの印刷屋に持ち込んで作製しましたね。低コストだけれども決して妥協だけはしたくない、自分で出来るところは自分で行い、周りのあらゆる方の協力の下、どうにか無理のない範囲で開業をスタートさせることができました。
 全て予算をいくらにするかです。しかし、それをいかにその範囲内に収めるかが、開業後借金で苦労しないポイントだと思います。そのためには、周りの力を借りながら自分で出来るところはとことん追求する、そうすることで意外なところをコスト削減できたりするので、“頼れる所には頼る”、これも重要だと思います。

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