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開業事例

医師

開業前のアルバイトは必須 人脈構築と開業後の生活を支えるために

開 業 日:H23年1月
開業年齢:50歳
標榜科目:内科、外科
開業形態:レントクリニック

  開業にあたっては、①消化器内科の特徴を強く打ち出すために内視鏡やレントゲンなど検査機器の充実、②検査後に患者さんが安心して休めるスペースの確保、③駐車スペースの確保―の3点を優先的に考えました。そのためビルテナントでは十分なスペースの確保が難しいので、新築予定のレントクリニックで開業する事にしました。立地は最寄り駅からバスで15分ほど離れた郊外ですが、建物を建てる際に内装工事費2000万だけで済んだので、戸建て開業に比べ大幅に費用を節約できました。また、経口・経鼻・大腸の内視鏡を1500万かけて購入。リクライニングベッド3台など検査後に患者さんが休むためにも利用できる広めの「点滴・処置室」、19台分の駐車場も確保するなど、自分の納得がいく準備ができました。
 しかし、家賃については今後検討しなければなりません。オーナーとは2年ごとに家賃を見直す契約を結びました。開業後2年間は来院患者数が読めないこともあり、物件を紹介してくれた不動産屋を通してできる限り家賃を低く抑えましたが、今後何十年も診療していく事を考えると家賃の値上げは避けられません。オーナーは人柄もよく私の意見も聞いていただけますが、今後も経営実態に即した家賃設定となるよう、交渉するつもりです。
 集患に関しては、近隣に消化器内科と外科を標榜する開業医がいないこと、徒歩10分ほどの所にある大病院では外来がパンク状態という事もあり、患者さんの紹介が多いですね。特に近隣の開業医からは内視鏡検査のための紹介が多く、自身の専門性を前面に押し出した事が功を奏しました。
 また、広告・宣伝については、当院で実施する「経鼻内視鏡」「経口内視鏡」それぞれについて図解と写真を交えてわかりやすく解説し、検査に対する患者さんの不安を取り除く工夫を凝らしました。まずは来院していただき、実際に検査を受けてもらえれば「思ったより苦しくない」事が実感できるので、その後も定期的に来院していただける事が多いですね。
 職員の募集では、人材バンクから紹介の申し出がある場合は注意が必要です。一般的に人材バンクは手数料が非常に高く、看護師の場合、パート雇用なら採用時に40万円。正職員として雇用する場合の手数料は年収の20%です。採用後半年以内に退職した場合は一定の補償があるそうですが、手数料を払うのが馬鹿らしいので、私はお断りしています。利用するなら慎重に検討した方がいいでしょう。
 開業前には、アルバイトを多くこなす事も重要だと思います。理由は2つ、1つは広い人脈を構築するため、もう1つは開業後の生活を支える資金を貯めるためです。
 いざ開業すると、開業前には頭がまわらなかった事にどう対処すればいいかわからず、困った事が何回もありました。そんな時に相談できる相手がいるのは貴重です。先輩開業医だけでなく、前勤務先やアルバイト先の先生、看護師や事務職員など、幅広く相談できるよう人脈を築いていると、いざという時に心強いですよ。
また、私の場合、開業直前の内覧会には2日間で計200名来院されましたが、開業後数か月間は来院患者数が伸び悩み、最も少ない時は1日5人という日もありました。4月開業でしたが、来院患者数が大きく伸び始めたのは、インフルエンザの予防接種が始まった秋になってからです。その間、患者さんが来なくても当然リース料や薬品代、人件費など固定費はかかります。経営がいつ軌道に乗るかはわからないので、可能な限り資金に余裕を持つべきです。

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