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医師

早く継承時期を話し合えばよかった 親子間継承のメリット・デメリット

開 業 日:H23年1月
開業年齢:48歳
標榜科目:内科、小児科
開業形態:一戸建て(所有地)

  開業していた父が倒れてから医院を継承した。大学病院に勤務していたが、父が開業医だったため、勤務しながらも医院継承は当然考えてはいました。父が4年前に一度病気で倒れ、3週間休んだことがありました。あの時、継承の話を自分からして、週1日でもバイトで一緒に働いていれば、患者も離れずに継承後もスムーズに移行できたかもしれない。親から医院継承を考えている方は、親と継承時期をきちんと話し合い、開設者の変更前に一緒に診療をする時期を確保することをお勧めします。
 私の場合、医院を引き継ぐ4カ月前に父が病気で入院し、そのまま他界してしまいました。父の入院後、週1日の1時間、慢性疾患の患者に薬を出すためだけにクリニックを手伝いました。父は当時81歳。当然、患者がすでに減少していて、病気で倒れてからは、更に患者さんは離れました。
 父の葬儀と継承作業と並行し、保健所や関東信越厚生局、税務署等への届け出を、一度に行わなければならず大変でした。父の患者を継続して診療を続けるため、保険請求上の遡及手続きも行いました。
 継承するには、建物が古く悩みましたが、レントゲン室をリフォームし、レントゲン装置だけはCR機器を新たに設置し開業しました。しかし、患者は相当離れていて、集患対策をしないと経営上厳しい状況でした。宣伝では、ポスティングに10万円、タウン誌に5万円でクリニックのPRを行いました。ホームページも開設し、集患に努めました。ポスティングは非常に効果的でした。
 継承して1年半が経過し、開業当時と比べ患者数は1.5倍となり、徐々に口コミで増えています。継承のメリットとしては、少ない費用で開業できたことです。デメリットは、親と計画的な継承ができなかったため、患者が離れていたということです。継承時の経営は厳しく、医院の経理は妻が簿記に精通していたので税理士に依頼せずに対応し、医院の受付事務は母親にお願いし、なんとかやって来ました。今後は職員を増やしてくつもりです。住宅街なので、内科・小児科で届け出を出しましたが、後から自分の専門の循環器内科を追加しました。タウン誌で私が循環器専門医であることを知り、「大病院に行かなくても近くで診てもらえる」という患者が来るようになりました。健診やカゼなど診れるようにしないと、最初から自分の専門分野だけの診療科では、場所にもよりますが、患者を限定することになります。  開業時に多額の借金をせずに良かったと思っています。経営が軌道に乗れば、建物を全面的立て直すか、空いているスペースに耐震構造のクリニックの増設を検討しています。医院継承は、早い時期から親と話し合いのもと、計画的に行うことです。

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