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開業事例

医師

近隣学校への顔見せが成功のカギ 最低限の労務知識は事前に習得して

開 業 日:H22年10月
開業年齢:37歳
標榜科目:整形外科
開業形態:クリニックモール

 いわゆる“医者一族”で医学部入学当時から開業志望でした。近い将来、同じ標榜科である父の医院も継ぐつもりですが、バブル期の経営体質を引きずっているのが引っかかっていて。まずは自分で医院を持とうと思い、物件探しに取り掛かりました。
 私の場合、地図で整形外科の空白地域を見つけてその最寄り駅に行き、足を使って物件を探す、という手法をとりましたが、これがなかなか苦戦しました。開業前年の6月には勤務先に退職の意向を伝え、年度末で退職しましたが、そこから開業まで6カ月空いてしまった。子どももいましたし、週3日の健診バイトで食いつなぎながらの物件探しは焦りましたよ。結局決心してから開業まで、1年6カ月が経っていました。  開業にあたっては、バイトのあっせんも含めて医療機器メーカーが全面支援してくれました。もちろん医療機器全面導入が前提で、相談料は無料。診療圏調査は3社に頼みましたが、同じ診療圏でも結果は見事にバラバラ。これはアテにならないと思い、自分で地図を買ってコンパスで円を描き、市のホームページから年齢別人口等を計算するという独自調査をしました。求人は200件以上の応募がありましたが、PT(理学療法士)とOT(作業療法士)が全く集まらなかったのには困った。ホームページに既に“PT・OTの充実”を医院のウリとして掲載してしまっていましたからね。その後追加募集と知人の紹介で何とか確保でき、一安心しました。
 開業後に苦労したのは、労務管理です。開業時はハード面の準備に追われるので、スタッフのことはどうしても後回しになる。面接のときには何も聞かれなかったのに、採用した途端「定年は何歳?」「有給休暇の買い取り制度は?」「育休・産休は?」と質問攻めにあい、焦りました。スタッフにとっては自身の身分保障の問題なので、当たり前といえば当たり前。わからないからと言って適当に返答すると不信感を持たれてしまう。労務や院内規則などはある程度決めておいた方がいいと思います。あとは患者トラブルですかね。紛失物対応からリハビリ室での患者同士の諍い、スタッフに対する暴言…。院長がここまでやらなきゃいけないのか!?と正直辟易しました。
 自分の場合、自己資金はたった200万でした。でも医院経営の成功という視点で見ると、自己資金の多寡は最初の踏み台でしかない。結局は患者数をどれだけ伸ばせるか、これに尽きます。自分は開業後3カ月間で近隣の学校を片っ端から回りました。湿布や添え木のサンプルを持って、合計11校に営業活動を行った。校長先生に断られても、少なくとも保健の先生には顔を見せるんです。身体の調子が悪かったり怪我したりすると、生徒だけでなく先生も保健室に相談するでしょう。口コミの力は大きい。着実に増患に繋がってきています。これでもダメだったら、駅前で自らビラ配りするつもりでした。開業には、自分の頭と足を使って“何でもやる”覚悟がないと。スタッフのモチベーションアップもしかり。オープン研修では「開業1年目で患者1日200人、最終的には1日250人」と明確に経営目標を伝えました。売上金額より人数の方がスタッフにはわかりやすいでしょう。今ではスタッフが「1日300人でご褒美として社員旅行」という目標をいつのまにか勝手に立てて張り切ってる(笑)。本当に達成してくれたら、それもアリかなと思っています。

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