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開業準備も雇用管理も肝要なのは“チームワーク” 職員は“あえて”非正規雇用

開 業 日:H22年4月
開業年齢:35歳
標榜科目:内科
開業形態:ビルテナント

 開業準備で一番のハプニングと言えば、お手伝いいただいていた業者が突然倒産したことですね。まあ、お付き合いしている中でも見積もりが出るのが遅いし「あやしいな」とは感じてはいたのですが。そこで新たに、導入しようとしていた医療機器業者にバトンタッチ。その担当者がとにかく素晴らしかった。お付き合いをするにあたって大切なのは、会社云々ではなくて担当者“個人”ですね。その方はメリットばかりを強調するのではなく、しっかりネガティブな情報も与えてくれた。私が購入したいと言った医療機器も「それは軌道に乗ってからで十分」と、自身の会社の利になるはずのものですら制止してくれた。とにかく“ダメ出し”が多い、これらの姿勢は信頼するに十分な材料でした。
 開業は構想2年、とじっくり時間をかけて準備をする予定だったのですが先に物件が見つかった。診療圏調査はどの業者に依頼してもボロボロの数字。ただ土地勘がありましたので、単に数字で割り出されたものを鵜呑みにするのではなく、近くで開業されている先生や患者の年齢層、標榜専門科目を考えて「ここでいける」と判断しました。勤務先の病院に近かったこと、広さが十分に取れることなどが惹かれた理由でした
。  勤務先とも退職については十分に話し合い、今でも週1回は病院で外来を診ている関係で、病院とは非常にいい連携を取ることができています。病院は地域医療支援病院になっているので必然的に他医療機関との連携が必要になる。“顔が見える”といった点ではお互い安心できますし、開業時点で患者さんを200名ほど連れてくることができましたので集患には困らなかったです。病院としても患者を連れて行くことについては逆紹介率が上がるので互いにメリットがある、前勤務先である病院の近くで開業できたのは大きかったですね。
 内装を作り上げていくにあたって一番気を遣ったのは待合室。どうしても患者さんが一番長くいる場所は待合室なんですね。そこを居心地のいい空間にする、そこにはこだわりました。また内科・小児科を標榜していますが、患者さんは内科の傍らで小児科を診ている、という印象を持ってしまう。ですから外から一番見えやすい場所にキッズルームを配置。おかげでお子さんの患者も多く来てくださっています。待合室の次にこだわったのは診察室。ここも患者の居心地を考えてほかの診療所より広く取っています。どうせお金をかけるならこの2か所、これは私が開業するにあたり妥協しなかったコンセプトです。
 勤務を続けながらの開業準備になりましたので一番苦労したのは各業者間の調整。実際時間が割けなかった。医療機器業者が決まらなければコンセントの位置さえ決まらないですから。前述した担当者が私に代わってそのセッティングをしてくれたのです。やはりすべて自分でやり繰りするのは不可能ですしプロには適わない、一人でも信頼できる人間を作るというのは非常に効果的だと痛感しています。また関わった業者のすべてが最終的に私のコンセプトに共鳴してくれてチームワークが生まれた。一番の理解者を作り、私やその方を中心に“輪”を作り上げる。開業の一番のポイントはここだったと思っています。
 スタッフの採用は「待合室を大切に」のコンセプトの下に、受付の対応がクリニックの印象を決める、そこを重点的に考え面接を行いました。開業前には私が作りたいクリニックのイメージを共有するための会合、開業後も開業する際に作ったコンセプトやイメージを崩さないために、患者アンケートを基に院長・スタッフの立場の隔てがない形で定期的に会議を持っています。また開業直後はスタッフのすべてをパート・アルバイトで雇った。それはスタッフにステップアップの喜びを作るためです。小さな診療所の中で「主任」だとかの役職を与えてもモチベーションには繋がらない。ある一定期間が経った段階でこちらから正規に、とお願いをする、そういうスタイルを取っています。また、チームワークを大切にするために、そしてスタッフに気持ち良く働いてもらうために他よりも給与を高く設定しています。それはあくまでビジネスとして費用対効果を考えての方策で、スタッフのモチベーション向上に寄与しますから。スタッフが安月給で私がベンツを乗り回していたらチームワークも何もないでしょ(笑)。

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