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開業事例

医師

"目を肥やすこと" 開業地選びのポイント

開 業 日:H21年4月
開業年齢:39歳
標榜科目:整形外科・皮膚科
開業形態:ビルテナント

 医局に勤務しながら開業準備を進め、結局のところ開業の1週間前まで勤めていたためバタバタしながら開業したというのが正直なところです。開業する3年ほど前から開業に向けて準備を進め、最初は先輩開業医から紹介されたコンサルタント会社に依頼しました。
 私がこだわったのは、とにかく「開業場所」。駅から近い場所か、駅から距離があれば駐車場が広く確保できるところ。コンサルタントから様々紹介される物件を、朝昼晩に人通りを確認するため足を運び、近隣の同じ標榜科目の医療機関がどれだけ流行っているかも情報収集してきました。結局、そのコンサルタントではいい物件が見つからず頓挫しましたが、ここで重要だったのがコンサルタント料金の問題です。コンサルタントに依頼する際、どこまで話が進み、どの時点で料金が発生するかを確認しながら準備を進め、結局支払ったのは最初の契約料30万円。今となっては物件情報など、開業に向け勉強する上では決して高くなかったと思っています。
 次に、これも先輩開業医からの紹介で医療機器業者に開業支援をお願いしました。そのメーカーの機器を導入することを前提に、コンサルタント料金はゼロ。そのメーカーの機器についても先輩開業医に相談し、自分でも調査して確信を得てから依頼をしました。
 開業準備はトントン拍子に進んだのですが融資でトラブルを抱えました。2つの金融機関に分けて計6000万円の融資を受けたのですが審査は問題なく通り、話ではすぐに融資が下りるということでした。しかし1つの金融機関からは開業してからも全く融資が下りない。確認したところ、担当者がどうやら書類を紛失したのか、結局のところ覚えていない、とのこと。完全に金融機関のミスです。開業する半年も前に審査を通過し安心しきっていましたから、これには参りました。各種書類の出し直しを迫られ、最終的には支店長クラスの偉い方が謝罪に来たのですが、一番困ったのが半年前の金利ではなく、融資が下りた時点の金利が適用されたこと。なんと半年前より金利が上がっていたのです。
 内装は費用を抑えるために、改築前に使っていた材料も再利用するなど工夫しました。安心できる業者を選定しましたが工事過程では数回足を運び状況を確認、自分のこだわりを的確に伝え確認作業を行いました。しかし、こだわった内装(待合室から2階までの吹き抜け)が仇となりました。吹き抜けですから空間が広いために、何せ空調が効かない。追加で冷暖房機器を取り付けたのですが、これは誤算となりました。
 宣伝については開業当初、内覧会案内のために折り込みチラシを実施。しかし一番効果的だったのは立地でした。実は、今開業している場所は、それまでのように多く足を運んでいません。しかし経験から得られる"直感"、これが大きな要因でした。「経験に勝るものなし」、これは間違いないです。駅から近い場所、奥には住宅街と言う立地条件であるため、建築工事段階から窓ガラスに「4月にオープン」と大きく張り出しておいたことで、開業当初から患者さんに多くいらしていただくことができました。奥が住宅街、周囲にはコンビニ・弁当屋と、周辺の住人は駅に向かう途中で必ず通る道に立地していることが、現在の集患にも大きく影響しています。そういった意味では、"存在を広告"とすることで、宣伝費用を削れるという見方もできるわけです。
 勤務医時代と違い、自覚しなければならないのは経営者であるという点。特にスタッフの雇用管理には気を遣います。今となっては最初から綿密な就業規則を作成しておけば良かったと思う点が多くあります。そしてスタッフからの要求も予期せぬものも多くある、それは覚悟すべきです。開業当初は9時に診療を開始していたのですが、患者数も増えたため15分繰り上げて診療を始めるようになりました。患者さんの便宜を図って、良かれと思って実施したことが、スタッフからすれば「増やした15分相当の給与を支払ってほしい」となるわけです。当然と言えばそうなのですが面喰いましたね。また正職員は3名雇っており、もちろんパートやアルバイトよりも給料や福利厚生など支出は嵩むわけですが、責任持って業務に携わってもらうこと、そしてパートやアルバイトと違い急に辞めることがない、言わば"安心料"と考えています。
 開業後は保険請求事務に苦労しました。勤務医時代は考えもしませんでしたからね。特に整形外科の場合は、自賠責や労災、請求種別は様々です。事前知識の必要性を痛感しました。また、縁のない土地で開業したために、入院が必要な患者さんについて紹介先を見つけるのに苦労しました。出身大学が遠方となると、開業前にそのあたりの準備も肝要かと思います。

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