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医師

素人の不動産契約 大きな契約の前には弁護士に相談を

開 業 日:H21年4月
開業年齢:39歳
標榜科目:内科・循環器科
開業形態:ビルテナント

 薬剤師の友人と開業することを以前から決めていました。私が医院を開業する時は一緒に隣で薬局を開業したいということで、開業物件は二人で探しました。開業する前年の10月頃、インターネット系の不動産物件情報で、自宅から30分以内で通勤できて、坪単価1万円で約40坪の広さのテナント物件で探すと、80件位の物件情報があり驚きました。気になる物件を友人と見て回り、今の場所にたどり着きました。
 この地域は10年前までは山林で、住宅地として新しく開発された新興住宅地です。そのため、競合する医療機関も皆無だったので、興味を持ちました。薬局と並んで開業する予定で物件も探していたので、一緒に入れるテナントが重要でした。
 インターネット系不動産から、契約を急がれました。日に数度、「次の契約希望がきているから早く契約してほしい。今からどうですか。」と電話で契約を催促されるほどです。開業するには診療圏調査も必要ということで少し時間がかかると返事をして、地元でその物件を管理する不動産に事情を確認しに伺いました。後からわかったのですが、すぐに契約していたら、友人の薬局は開業の許可が出ない事態になることが分かりました。不動産のチラシには「第1種低層地域」と小さく表示されていましたが、この意味を不動産屋と大家さんは私たちに説明は一言もありませんでした。
 薬局の友人が、弁護士に相談を依頼したところ、第1種低層地域は、用途店舗専用地域で、診療所と保育園が指定されており、それ以外の店舗は開設不可という意味でした。私のクリニックは開設できるが、友人の薬局は内装が出来てもオープンできない事態になることが弁護士の指摘でわかりました。友人は隣接する土地に店舗併用住宅を建てることに急遽切り替えることにしました。この物件が1年間も空いていた事情が理解できました。
 融資にも影響が出ました。開業準備を進めていいたので、融資は5月のオープンにあわせて相談していていましたが、10月に遅れることになり、融資実行時期の延期をしました。延期中にレートが代わり利率が上がるなどの問題も発生しました。
 物件を選ぶ時は、店舗指定業種などの制限があるテナントもあり、大家から契約を急がれる時は慎重に確認することです。大家も不動産も重要なことを、説明をせずに契約を優先させるケースがあります。今回は、弁護士に契約内容を確認して発覚しましたが、これから開業される方も、不動産物件の契約や大きなリスクが発生する医療機器のリース契約など、業者の説明だけでなく、弁護士等に相談して納得した上で、契約書に印を押すことを勧めます。

 お電話でのお問い合わせ・ご相談は045-313-2221

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