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開業事例

医師

患者さんへの温かい対応に直結-スタッフ全員にベストな職場環境作り

開業日:H22年年6月
開業年齢:47歳
標榜科目:内科、感染症内科
開業形態:一戸建て

 "仕事と育児の両立"を大前提に自宅兼診療所として開業することを決めました。妻が歯科医ということもあり、将来的にはオーラルケアを共通項にした健康づくりを支援する医科・歯科クリニック設計を行いました。開業準備は約2年前から始め、開業に対する自分の理念をしっかり立て、資金調達も綿密に計画しました。自分の強い希望であった、"ファミリードクターとして地域に強く根付いた開業医を目指したい"、その想いだけはどんな計画を立てる上でも揺らがず根底にありました。開業準備で自分にできる範囲はもちろん限られています。その限界も見極めること。開業コンサルタントに任せるところを峻別し、そこは大いに頼りました。ただ、任せきりにするのではなく、自分もしっかりと意見を持って、何十回も打ち合わせに臨みました。こうじゃなかったと後悔することは、開業してからのモチベーションにも大きく関わってきます。自分がどういう医療サービスを実践したいかを開業前に明確にしておくことは、とても大切なことだと思います。
 私の開業場所は、自治会がしっかりとした地域で、自治会規約の中には、「診療所の建築については必ず自宅兼診療所でなければならない」という規則がありました。それは、地域住民への往診や時間外対応への期待が念頭に置かれています。夜中の診療や祝祭日の電話応対など大変な面も時々ありますが、地域医療を支える一助になりたいと考えていたため、今はそれほど苦ではありません。自宅兼診療所は近年稀なことから、周りの住民と何十年も一緒に生活をしていく上で、自治会への理解と下調べは欠かせませんでした。
 診療圏調査は銀行融資の関係上2回行いました。参考になりましたが、調査から見えなかったものもありました。例えば、既存の周辺医療機関の患者来院数や、開業予定地周辺の住民がどこの医療機関に通院しているかなど、周辺住民の通院実態については行政統計の数字だけでは見えません。つまり診療圏調査は、数値化できない重要な部分が欠落しています。そのため、開業してから約半年経ちますが、独自に周辺宅地図を作り、来院される患者さんがどの地域から通院されてくるのか、地図を塗り絵にして分析しています。そうすると今まで見えていなかったものがくっきりと現われてきます。開業してからも独自に調査をすることで今後の集患対策にも大いに役立ってくると考えています。
 クリニックの宣伝は、開業当初としばらく経ってからの段階に分けて宣伝を打つことが効果的と感じています。各ステージによって、活きる媒体が違ってくるように思います。まず開業当初は、ポスティングによる折込チラシが周辺住民の方には一番効果的でした。高齢の方などは、今でもチラシを持ってよく来院されます。若い方は、ホームページを見られて来院されることも多いです。感染症内科も標榜しているため、遠方から来院される方もおり、ホームページ作りではクリニックの理念や特色を明記することを心がけています。開業後は、タウン誌をよく見られている方が多く、掲載記事を切り抜いて来院される患者さんも多いですね。各戸にポスティングされるタウン誌は、家庭で新聞を取っているか否かに係わらず、目にする地域住民がさらに広がります。地域の特性や想定患者の年齢層を分析し段階的に広告を打つこと。クリニックの理念や特色をうまく伝えられる宣伝方法を選択することが重要です。
 私のクリニックでは、副院長の妻のほか、正職員1名、パート2名を雇っています。正職員とパートの間には、報酬をはじめ待遇に差がありますが、その差で嫌な思いをしないよう、皆が気持ちよく働ける努力を出来るだけ行っています。例えば、研修参加、休暇、仕事場の改修、器材の補充など、良いスタッフに出来るだけ長く、気持ち良く勤めてもらうため、ベストな勤務環境を作っていく。その思いがスタッフに届くことで、彼らの心にも余裕とやる気が生まれ、患者さんへの温かい対応に繋がっていきます。それが最終的には、クリニックの評判へ繋がってくるのを実感します。スタッフを大事にすることは、クリニックにとって大きな財産となります。

 お電話でのお問い合わせ・ご相談は045-313-2221

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