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開業事例

医師

開業地選定-街の中で人の動線を考える

開業日:H21年8月
開業年齢:50歳
標榜科目:耳鼻咽喉科
開業形態:クリニックモール

 長続きするのだろうか、そんな不安を抱えさらに体調を崩したことがきっかけで病院を退職し、開業を決心しました。勤務医時代は、70時間以上の連続勤務、食事は一日一食取れるか取れないかがほぼ毎日続くとてもハードな勤務状況でした。病院で働く勤務医の過重労働は、残念ながら現在の日本の医療システムでは解決していません。いわゆるこの現実から逃散した結果、現在に至っています。
 開業準備は、約1カ月半で行いました。当初は、1年くらいかけてゆっくり準備する予定でしたが、信頼ある人との出会い、世の中の情勢の動きなどが総合的に相まって、現在の場所で開業することを決めました。開業地を決める上でこだわった点は次の4つです。①駅に近いこと、②区役所に近いこと、③比較的新しい建物であること、④入院施設のある病院が近くにあること。どれか一つだけに特化してしまう物件で妥協するのではなく、4点全てに合致することで、クリニックの将来像を描くことが出来たのです。駅に近いだけでは、その地域の人または勤務している人に限られてしまいます。そのため特に重要視したのが、区役所が近くにあることです。公的書類の取り付けや手続きなどで、他の駅に住む人も利用が見込めるものと考え一番合致したのが区役所でした。街の中で人の動線を考え、開業地を絞り込んだことで、決断は早かったですね。そのため、約1カ月半のスピード準備で開業を迎えることができました。
 クリニックの宣伝については、街の特性を調べ様々な宣伝を行いました。一番効果的だったのは、ホームページです。私が開業している地域の住民は、パソコンの所有率が非常に高いことがデータとして出ていたため、ホームページは非常に効果的でした。その他、区役所が近いことから、区役所にある待合室のテレビでクリニックの広告を流したり、公的書類を入れる封筒や街の暮らしガイドに宣伝を打ったりと、周りの環境を考慮したクリニックのPRを行いました。但し、どれも即効性があるわけではありません。気長に構えて、街の人にクリニックが認知されることを目的に行っています。  また、年代別に応じた宣伝も行いました。若い人は、ホームページが一番有効的ですが、年配の人はホームページよりも、手に残り、形あるもので宣伝したほうがクリニックの存在をPRできるように思います。そのため、新聞の折込チラシや郵便局のハガキや切手を入れるビニール袋など、すぐに手から離れてしまうものではなく、一定期間だけでも家に置かれるだろうというものにクリニックの宣伝を行いました。やはり即効性は見込めませんが、何かあったときに、電車の時刻表のように捨てずに、その片隅に耳鼻咽喉科の広告が載っていたなと思い出してもらえるような物への宣伝は怠らず積極的に広告しています。
自分の標榜科目である耳鼻咽喉科は、他の疾患を抱えている患者さんも多いため、相談が出来る科が近くにたくさんあることで相乗効果が見込めると分析し、それを考えるとクリニックビルが開業場所としては最適でした。他科の受診のついでに、寄ってもらうことを想定できたためです。実際、他の科の患者さんが受診されるケースも多く、他科の先生方との連携も上手く構築されています。
 街の中での人の流れを考えることで、自然と開業地や宣伝方法などは絞れてくると思います。また、その街の特性を十分に調べることが重要です。宣伝のヒントは、小さなところに埋もれているものです。それを見逃さずにチャレンジしていくことが大切ですね。

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