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医師

"病院モード"での開業は危険 必要最低限の開業を

開業日:平成18年12月
開業年齢:40歳
標榜科目:眼科
開業形態:クリニックモール

 病院と開業医ではそれぞれ与えられた役割が違います。私が開業を決意したのは、一人の患者と向き合いたい、これが理由でした。患者さんの中には精神疾患を抱えた方など特殊な事情をお持ちの方が多くいます。その方たちに時間をかけて接して差し上げたかった、これが大きな理由です。病院だとこうはいきませんから。
 開業準備はコンサルタントを利用しました。コンサルタントに診療圏調査も依頼しましたが、コンサルタントはあくまで"窓口"と考えたほうが無難です。言い方は悪いですがコンサルタントは"秘書"程度に考えておくべきです。実際私は開業後を考え、薬や医療機器は自分の納得できるベストなものを使いたかったため、医薬品メーカーや機器メーカーを介してコンサルタントを紹介いただくことはしませんでした。メーカーを介したコンサルタントだと、どうしても薬や機器の購入について制限を受けてしまう、この"しがらみ"がいやだったのです。私が実際コンサルタントに依頼したのは交渉です。勤務医を続けながらの開業準備ですとなかなか時間も作れませんので、関係業者との交渉ごとはコンサルタントに任せました。ただコンサルタント任せになってしまっては失敗している例も聞いていましたので、他県で勤務しながらの開業準備となりましたが、毎週末、新幹線に乗り開業地に足を運びました。また開業地の選定については、大きな道路に面していないことを注意しました。眼科の場合、顕微鏡を使いますので、大きな幹線道路沿いだと建物が多少なりとも揺れ診療に影響が出るためです。
 いざ開業するにあたっては内覧会を実施しました。折り込みチラシを使い宣伝したのですが、クリニックモールなのですでに他院が開業していたこともあり、1日で200名ほどの方にお集まりいただきました。そこで来院の予約を取れればその後の集患に繋がったのですが、そこまで気は回りませんでしたね。広告についてはバス内のアナウンスもやっていましたが効果はなし、今はやっていません。開業後にアンケートを患者さん向けに行なったのですが、全く効果がなかったことが分かりました。宣伝はホームページも有効な広告手段かと思いますが、意外とタウンページを見て来院される患者さんが多いです。
 職員採用についてハローワークは利用しませんでした。ハローワークは採用の可否に関わらず、その理由を提出しなければならないため、反応がすばやいと思われる雑誌広告で募集しました。開業前はとにかく時間がないですから。欠員の募集など、じっくり時間をかけて募集する場合はハローワークも有効な手段の一つかと思います。スタッフの雇用も想像していたものと違いました。私としては開業当初、パートさんなどは1週間を通した勤務を希望していたのですが、やはりそれぞれ生活がありますので思うようには行きません。それぞれ"何曜日希望""午前中はだめ"など、希望があるのですね。そこは注意すべきだと思います。
 病院勤務医から開業するとなると、意識の中でどうしてもその医療環境を引きずってしまいます。やっぱりいい医療機器はほしい、これが本音です。私はこれで失敗し、開業当初は資金繰りに大変苦労しました。病院に勤務していた医療をそのまま持ち込もうとするといくらあっても足りません。開業当初は必要最低限の設備とし、経営が軌道に乗った段階で拡大していく、これが失敗しないコツだと思います。

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