医師
見積書を徹底チェックし設計どおりの積算根拠に
開業日:平成20年2月
開業年齢:
標榜科目:婦人科、泌尿器科、不妊治療
開業を考えたのは3年前。東京の病院で不妊症外来を専門で約10年間勤務してきた経験を生かし東横線沿線で開業を考えていましたが思うような物件がありませんでした。開業前は、医局などにもコンサルタント系のダイレクトメールが山ほど送られてきましたが、私はコンサル活用は考えず、先輩・同僚医師に相談しながら開業までこぎつけました。
みなとみらいにあるクリニックモールの物件を紹介され、駅に近く、東横線沿線でもあり物件的には魅力的で場所を決定したのですが、開業することを決意してからが大変でした。不妊症専門のクリニックを開設したかったので、将来の事業規模を予測し、800坪のフロワーの半分を契約することに決めました。当然、坪単価に対する家賃や内装工事による費用は高く見積もりが出されます。しかし、将来拡充したいときにできないことのデメリットを考慮し、開業費用を安くするためにテナント面積を抑えることはせず、先行投資として考え、広い床面積で開業することを選びました。
問題は、みなとみらい地区のオーナーはひとつの大企業が占めており、いわゆるゼネコン方式の契約で、設計、施行業者及び電気機器、備品などの依頼先はすべてその企業のグループ会社を利用することがテナント契約の条件にされていました。業者の選択ができず大変でしたが、まずは辞典のような分厚い見積書をすべてチェックするところからはじめました。細部までチェックも行った結果、積算金額の誤りが多く、業者に修正を求めました。実際、業者から最初に出された見積もり金額のままでは、到底開業はできなかったです。開業できたのは、粘り強く価格交渉を行い、あらゆるコネを頼った結果です。特異な開業形態だと思いますが、テナント料、設計、施行業者の価格交渉は必ずやらないといけないと思います。
資金調達については、物件の価格などから、開業資金が他の医院よりも多額を用意しなければなりませんでした。銀行からの借り入れだけでは足りない分を、親族や知人に融資を受ける約束を取り付けていましたが直前で断られるなどあり、少し資金が不足のまま開業しましたが、現在はなんとか軌道に乗っています。