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開業事例

歯科医師

我々は経営の素人 業者が付け入る隙見せないように

開業日:H22年5月
開業年齢:45歳
標榜科目:歯科
開業形態:ビルテナント

 知人の勧めで開業を決意し大手の業者に相談しました。そこから1カ月後の開業を目標に準備を開始。大手でネームバリューがあるから安心だと信じて疑いませんでしたが、それが大きな間違いでした。
 開業資金は自己資金以外に公的金融機関とデンタルローンを合わせ、4000万円用意。そのうち、運転資金や諸費用などを除き、自由に動かせるのは3000万ほどでした。業者に開業費用は予算内に抑えるよう伝えると、提示されたのは予算ぎりぎりのプラン。そこから導入する医療機器の種類やランク、さらには壁紙の種類に至るまで費用と相談しながら調整を進めました。
 しかし、検討を進める中で医療機器など絶対必要なものが複数抜けており、後から追加料金が大幅に発生する事が判明。到底予算内に収まるわけもなく、開業まで日がありませんでしたが、いったん白紙に戻しました。プロなら当然わかっているものと思っていましたが、甘く見ていました。  その後、一から業者を選定。運良くすぐに別の業者が見つかり、予定より1カ月遅れて無事開業しましたが、この業者もずさんな対応でした。
 まず、予算の範囲内で必要なものを全て揃えたはずが、後から必要なものが次々出てくる始末。お金が足りなくなると、業者は追加融資を受けるよう指示してきましたが、新たな融資を受けることができず、内装業者への支払いの一部が滞り、後日督促に乗り込んで来る事態にまで発展しました。
 また、業者の勧めもあり、外国製で格安ではありますが、新品のユニットを3台導入しましたが、このユニットの保証期間は1年にもかかわらず、その間フレームは壊れ、スケーラーは止まり、制御するコンピュータまでおかしくなるなど故障が相次ぎ、日常診療に支障をきたすように。業者にクレームを入れると、返ってきた答えは「本体価格が安いから」。修理するよう求めても壊れた部品を交換するしかないと言い張り、結局私が自腹を切りました。
 さらに、キッズルームの床にスポンジ製のフロアマットを敷き詰めましたが、設置後になってマットの素材が可燃性のため消防法上認められないと言われ、取り換える事に。当然、業者はプロなのでそれくらいわかっているはずですが、そのミスを一切認めようとせず、結局その交換費用も私が持ちました。
 スタッフの雇用や労働条件の整備についても、業者に任せっきりにしたため、後から問題になりました。開業にあたり歯科衛生士1名と歯科助手3名を正職員で採用しましたが、労働時間や休日、賃金などの雇用条件があいまいで、職員は「こんなはずじゃなかった」と全員3カ月ともたずに退職。従業員の労働条件など重要な問題は決して業者任せにせず、自分も積極的に関与して検討すべきでした。
 現在は、妻を含め歯科助手3名を正職員で雇用しています。特に前勤務先で数年間歯科助手を務めた経験がある妻は、仕事上は決して私の方に寄らず、必ず従業員の立場に立ち、従業員と私の橋渡し役に徹しています。従業員からの信頼も厚く、職場の人間関係は非常にうまくいっています。家族を雇用すると人間関係がうまくいかない事もあると聞きますが、当院の場合は妻の存在に支えられている所が大きいですね。
 開業には非常に高いリスクを伴います。我々は経営の素人である場合がほとんどで、そこに業者が付け入る隙もできます。特に収入が高い勤務医の先生が開業しようとする場合、開業を安易に考えているケースも見受けられるので、注意が必要です。

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