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開業事例

歯科医師

融資交渉は粘り強く 上限融資額を超える融資を受けるためにプレゼンも

標榜科目:歯科
開業形態:一戸建て(借地)

 歯科大学へ進んだ時から開業するのは決めていましたが、実際、開業する前には悩みました。多くの同業者がいる中で、安易な考えや半端な思いでは開業はできないと思っていました。大きな借金をして診療をしながら一生を過ごすようなってしまうのが不安で、経営的側面を知るところから始めました。複数のコンサルタントに「開業するからよろしく」という相談ではなく、成功している大型歯科医療法人など、経営的手法など含め話を聞くことからはじめました。多くの関連する人から経営に関する意見を聞き、自分の開業形態をイメージしていきました。物件は、複数のコンサルタント、歯科関係業者等から幅広く情報を入手しました。物件だけでも数えきれないほど見ています。駅ビルなどの物件も見ました。目にとまった物件は診療圏調査を依頼し確認し判断しました。都市部の大型クリニックモールを一度押さえましたが、見送りました。人の生活サイクルで考えると歯科医院には来ないとみたからです。多くの物件の中から、今の開業地の情報を得て、自分で開業することを決めました。約300万円をこんさるコンサルタントに払いましたが、物件情報の提供や、また店舗側オーナーとの交渉などで有効に対応してもらった費用と思えば高いとは感じていません。
 大型店舗が所有する敷地内の別棟として、戸建(借地)開業しました。業種に関係なく、店舗を募集していましたが、計画が進まなかったのは、店舗側の意見や聴取が事前相談の段階から大変多かったからだと推察できました。まだ、建築の具体像が出来上がってない段階で、建物の構造や材質など細かく聞かれるのです。
 物件の許可を得ると、融資の問題があります。事業計画・資金計画書はコンサルタントではなく税理士に相談しました。税理士は処理しなければならない順番を決めてくれ、非常に助かりました。融資はまず、政策金融公庫に相談。公庫で借入できなければ他の金融機関での融資交渉は難しいと思っていましたので、面談時にはこれまでの自分の実績、マーケティング調査結果、事業計画や開業理念など整理し、プレゼンテーションをしました。歯科医への融資は厳しいことを踏まえ、「融資担当者として歯科開業に融資することは責任問題を抱えることも承知しているが、私の話を聞いて欲しい」と懸命に説得し、提示された融資上限を超える交渉に努めました。公庫の融資を基本に考えていたので、交渉は本当に大変でした。本部の決済に時間がかかりましたが、なんとか目標の金額で決済を受けることができました。
 建築工程では、建築材料や機材の搬入の遅れなどで工事が進まない状況があり不安でした。その都度、業者に意見を言わないと思い通りに進みません。開業に間に合わない事態になりかねないので、注意すべきです。広告宣伝は、約200万円かけましたが、電柱広告は必要ないです。
 職員募集は、タウンワークで広告を出し、50名以上の応募がありました。私は、この人はここで働くことで何をしたいのか、人に何かしてあげたいという意思を明確に感じられる方を基準に採用しました。皆、一生懸命に働いてくれてトラブルを抱えたことありません。優秀なスタッフに感謝しています。

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