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開業事例

歯科医師

居抜き開業でも患者引き継ぎで苦労

開業日:H22年2月
開業年齢:37歳
標榜科目:歯科
開業形態:居抜き(テナント)

 私が開業を決めたのは、勤務医でいることが体力的に辛くなり、ライフワークバランスを考えて診療したいと考えるようになったからです。前勤務先では毎日20時まで診療した後にたまった雑務をこなし、帰宅したらただ寝るだけの日々が何年も続き将来の展望を描けなくなっていました。
 現在診療している物件は大きな団地内にあるテナントで、開業する3カ月前にインターネットで見つけました。居抜き開業を選んだのは開業費用を抑えることができ、患者さんを一定数引き継ぐことができる点に魅力を感じたからです。内装やユニットなどの医療機器はまだ新しかったのでそのまま使うことができました。そのため大きな出費は電子カルテの導入だけで金融機関からの借り入れはゼロ。開業費用を大幅に節約できました。
 前勤務先には物件を見つけてすぐ退職の意思を伝えましたが、当時前勤務先には歯科医師が5名以上勤務しており人数に余裕があったので、特別トラブルはありませんでした。ただ、これまで診てきた患者さんはできるだけ責任を持って治療したかったので、勤務しながら開業準備を進め、開業2日前まで診療しました。
 開業にあたり一番苦労したのは、居抜きにあたり前医から患者の情報を詳しく教えてもらえなかった事です。引き継ぎ期間はたった3日で、その後何度も連絡しましたが、返ってきたのは質問への回答が書かれたFAX数枚だけ。そのため、開業当初の診療は前医からの限られた情報を頼りに手探りの状態が続きました。患者さんをそのまま引き継ぐことができるのも居抜き開業のメリットと考えていましたが、引き継ぎがうまくいかなかったのは誤算でした。
 職員は歯科衛生士と歯科助手、計4名をパートとアルバイトで採用。ハローワークを通じて募集しましたが全く反応がなく、採用した職員は全員貼り紙(院内、団地内の掲示板、近くの商店街に掲示)を見た主婦が中心です。主婦を採用する際、お子さんが体調を崩して欠勤する事も多くなると考え、なるべく大きい、できれば小学生以上のお子さんを持つ方にお願いしました。
 また、医療事務を任せられる職員を雇わなかったので、事前にもっと勉強しておけばよかったと痛感しています。前勤務先ではレセプト点検を一括して業者に任せていたので保険請求事務にかかわる機会は皆無でした。事務職員を雇わず自分で点検できるようにある程度勉強する必要があると思います。
 当院の患者層は団地の住民が大半を占め、来院患者数は開業前に予想していた水準で推移しています。ただ築40年近い団地という事もあり、今後は建物の老朽化に伴う住民の過疎化が危惧されます。既に住民の数は減少傾向にあり、以前は賑わっていたという団地内の商店街も今は空き店舗が目立ち始めました。集患については今後の課題として引き続き検討しています。

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