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開業事例

歯科医師

診療圏を地道に歩き 他院との差別化に成功

開業日:H20年11月
開業年齢:38歳
標榜科目:歯科
開業形態:居抜き(テナント)

 これまで20年以上診療していた前医が体調を崩して閉院することとなり、後継者を探していた時に知人を通じて居抜き開業の話をいただき、開業することになりました。ただ、私の場合は純粋な居抜き開業ではありません。患者さんの引き継ぎはなく、以前通院されていた患者さんも新患として一から関係を築いていきました。内装も全て一からやり直したので、普通の新規開業に近いのかもしれません。
 開業にあたっては前勤務先の院長に相談し、開業準備はすべて副院長と二人で進めました。ふつうはコンサルタントや業者に依頼される先生が多いようですね。ただ、私は開業にあたり、前勤務先を含めこれまで自分が見てきた色々な医院のいい所をできるだけ多く取り入れたかった。コンサルタントや業者も仕事で相談に応じるので本音を出してこない気がして、正直頼りたくありませんでした。また、以前コンサルタントに相談して開業した知人の話を聞き、高い報酬を払ってまで依頼しようとは考えませんでした。
 診療圏調査も業者に1回だけ依頼しましたが、副院長と手分けして周辺地区を自転車でまわり昼夜の人の流れや住民の年齢層などを自分たちの目で確認しました。また、近隣の歯科医院約20軒の診療時間を調べ、夜遅くまで診療しているところが少なく需要があると見込み、夜21時まで診療する事にしました。診療圏調査では客観的なデータが得られますが、自分の目で見ないとわからない事も多いですね。開業地の選定は業者だけに任せず、積極的に足を運んで確認が必要だと思います。ただし一度定めた診療時間は、特に後々診療時間を早める場合、患者さんにネガティブな印象を与える可能性があると思われるので、開業時には慎重に定める必要があると思われます。私の場合、開業当初は交代で診療できる先生がいましたが、夜遅くまで1人で診療するのは体力的に厳しいです。
 開業資金の借り入れの申し入れた際、ある金融機関では担当者の話し方や態度に愛想がなくこれ以上相談しても難しいと思い、すぐ相談を打ち切りました。その後、前勤務先の院長に紹介された金融機関に相談したところ、担当者にも恵まれて希望額を全額借りる事ができました。対応いただいた担当者は私と同年代で相性も良く、親身に相談にのっていただけた事が大きかったですね。綿密な事業計画書を作成し、自分が開業にかける熱意を伝える事はもちろんですが担当者との相性も大事かと思います。
 居抜きで開業する場合、まず前医から引き継ぐ患者さんを大事にすべきです。特に開業当初は来院患者数が読めません。私のクリニックでは幸いにも前医の評判が良かったこともあり、前医の患者さんも多く来てくださいました。前医の影響はプラス、マイナスどちらにも影響します。居抜き開業を検討する場合、開業予定地の前医の評判について聞き込みができればリスクをある程度防ぐことができるかもしれません。
 開業して2年経ちましたが、歯科医院の経営は本当に厳しいと実感しています。開業当初に近隣の歯科医院へ挨拶まわりをした時には長時間待たされたり、中には来なくていいと突き放された事もありました。歯科医師が開業するには本当に厳しいご時世ですが、お互い頑張りましょう。

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