1. トップページ
  2. 開業事例
  3. 歯科医師
  4. 開業準備期間を十分確保し初期投資の節約を 「歯科専門業者」のいいなりは禁物

開業事例

歯科医師

開業準備期間を十分確保し初期投資の節約を 「歯科専門業者」のいいなりは禁物

開業日:H22年2月
開業年齢:32歳
標榜科目:歯科
開業形態:ビルテナント

 開業した一番大きな動機は、病院の分院長という立場で、つまり人の医院で新規指導を受けるのが嫌だったこと。最初に勤めた病院で新規指導がどんなにきついものか散々聞かされていましたから。子どもも3人いてこのまま勤務医を続けても先がないと思ったことと、ある程度年齢がいってしまうとお金を借りづらくなることも心配で独立しました。
 国民生活金融公庫から融資を受けましたが、都市銀行系は全然ダメでしたね。「歯医者」と言っただけでアウトです。事業計画書を持っていったら、とんでもない金利を提示された。公的金融機関がなければ大変なことになっていました。
診療圏調査は"全く"役に立ちませんでした。私の場合は開業地が決まっていたのでまだよかったですが、知らずにあの数字を鵜呑みにしていたら大変な誤算です。実際の患者数は示された数字の半分ですから。あれは銀行に対する説得材料だと考えるべきです。
 広告・宣伝はいろいろやってみましたが、ホームページの効果は薄いと思います。アクセス履歴を調べてみると、都内からのアクセスがほとんど。つまり、コンサルタントや業者しか見ていないんです。私の場合は知人が格安でやってくれたからよかったものの、ホームページの広告に何万円も注ぎ込んでも無駄だと思います。効果があったのは内覧会と、自作のリーフレットでしょうか。お金がないのでリーフレットはデザインも印字も全て自分でやりました。紙とインクだけは上質なものを使い、みすぼらしくならないよう工夫しました。
 スタッフの雇用管理では苦労しました。初めは一人だけ雇っていたのですが、業者が一人では足りない、というので言われるがままもう一人雇ったんです。ところが全く必要なかった。人件費が嵩んだだけです。加えて、スタッフのプロ意識のなさで二重の苦労となりました。衛生士手当をもらっているにも関わらず、セメントの名前すら覚えようとしない。何か苦言を呈するとすぐに「辞める」という。今の若い人の傾向なのかもしれませんが、本当に大変でした。開業時のスタッフは一人いれば十分です。質の問題もありますから、試用期間は長めに設定することですね。
 私は使っていませんが中古の医療機器は活用した方がいい。ユニットなら1台を新品で買い、もう1台を中古にすればメンテナンスの問題もクリアできます。時代に逆行するようですがアナログを取り入れるのもいいでしょう。デジタルは保守期間が短く、買い替え時に出費が嵩み、まさに「デジタル地獄」。始めはとにかく出費を抑えることです。
 相見積もりは必須です。はじめ歯科専門の業者に内装の見積もりを頼んだところ1600万円と提示されました。知り合いの工務店に聞いてみると、「今までやったことはないが」と前置きしながらも800万円でできるという。専門業者はこちらが何も知らないのをいいことに吹っかけてくると覚悟したほうがいいです。結局工務店に依頼しました。経験がないという工務店とはいえ、何度も行き来し、材料なども細かく指示を出せばできないことはないのです。あとは、患者さんに見えるところはいいものを使い、見えないところは徹底して節約をする。例えば電球一つでも、待合室はLED、院長室と技工室は蛍光灯ですし、スタッフ用トイレの便器、洗濯機は中古品です。そのためにも前職を辞めたあと十分な開業準備期間を確保することが必要。1カ月分の給与を犠牲にしてでも、自分が動いた分だけ、初期投資はかなり浮かせることができます。

 お電話でのお問い合わせ・ご相談は045-313-2221

医院開業支援
開業をご希望の方へ
開業事例
医師
歯科医師