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開業事例

歯科医師

同じ目標に向かうために正規職員での雇用を 責任を付与することで上がるモチベーション

開業日:H21年11月
開業年齢:32歳
標榜科目:歯科
開業形態:戸建て

 開業した理由は「自分の追及する医療がしたい」、「一人ひとりの患者さんに時間をかけたい」そのような想いから。開業後も経営を成り立たせるためにはもちろん"数字"は非常に重要なものですが、勤務医の頃は"売上・収入"が最重要視され、それに嫌気が差したというのも正直なところです。自分が思い描く診療を行うためには使う材料も自分で主導を持って選びたかった。
 戸建て開業にした理由はビルテナントの賃料を将来的に考えた時に、医院を"自分で持つ"ということとをトータル的に比較したら賃貸で行った場合、私の理想とする医院を持つためには生涯支払賃料が3億円ほどになる、そこで戸建てでの開業を決意しました。
 戸建て開業ということもあるので場所は自分で探しました。「駅から近いところで、かつ静かな住宅街」、これをポイントに探し今の場所を選びました。歯科医院を行うこと、そして自分がこれからここの住人になるということに関しては7:3の割合で考え何度も足を運んで決めました。やはり経営が成り立たなければ生活ができない、こちらが基本でしたね。
 自宅の融資も受けなければならなかったので融資交渉は苦労しました。自身で毎月返済できる金額を推計しそれを超えない範囲で、と考え交渉に臨みました。しかし銀行から提示されたのはそれから遥かに高い額。その後の交渉も困難を極めましたのでテナント開業でも一時は考えましたが、現在の土地の売主が他業種の会社だったこともあり、その会社が銀行に掛け合ってくれました。その会社としても早く土地を売りたかった、そして最終的に私自身が銀行に伝えたのは"熱意"です。銀行から提出を促される書類以外に、自分の想いを伝える資料を作成しました。結果的にはこれが大きかったのだと思っています。
 宣伝・広告についてはポスティングの効果が非常に高かったです。数万という単位で、最寄駅周辺だけでなく近隣市にも業者を使って実施したのですが、チラシで内覧会の案内を行ったところ内覧会当日はトータルで300~400名もの方々が訪れ、新患予約も100名ほどいただくことができました。内覧会を実施するにあたっても事前にスタッフと入念なシミュレーションを行い、いかに患者さんが来院したくなる雰囲気を作るか-という意思統一を図り当日を迎えました。来院者へのお土産の歯ブラシが100本しか用意していなかったので焦りましたね、嬉しい悲鳴ですけど。ポスティングを行うチラシ作成は地元の業者に依頼をしました。これからこの地に住んでいくわけですから、地域活性化のためにも地元にお金を還元するということも考えましたね。もちろん開業後も色々宣伝については考えます。市役所の液晶画面にCMを出したのですがこれは効果が薄い。宣伝については十分に費用対効果を考慮すべきだと思います。
 スタッフ募集についてはハローワークや雑誌を活用しました。学校(専門学校含む)への求人広告はあまり効果がありませんでしたね。ハローワークは、若干手続きが面倒なところはありますが効果的でした。また、若年者等正規雇用化特別奨励金制度(25歳以上40歳未満など年齢制限やその他職業経験年数など一定の条件あり)というのがあって雇用者には100万円(条件による)の支給があるんですよ。いい職員を雇用して、なおハローワークからの奨励金も入る、これは十分に検討すべき材料になるのではないかと。世間では歯科衛生士不足が叫ばれていますが、歯科衛生士の絶対数はいる。しかし、"いい歯科衛生士"がいないのです。衛生士側も自分たちに需要があることを十分に承知していますので「ここでダメでも他がありますから」という態度を取る衛生士も少なくありません。
 私は職員4名を開業当初から正規職員として雇用しています。もちろん、トラブルを抱えた際の対応や処遇面など、正規職員として雇用するデメリットは承知しての正規採用です。正規職員とパート・アルバイトではまずモチベーションが違う。そして自分の理想の診療を行うためには目標に向かって同じコンセプトを持ち、日々業務に取り組んでいただく必要があります。そういった点から私は正規職員の採用という選択をしました。
 開業前の想像と開業後の現実の違いは数え上げればキリがありません。私の場合、幸い来院患者数については予想を上回り、そういった意味では嬉しい乖離ではありましたが、患者が増えたことを想定しユニットの台数を増やせるような設計にしておけば良かった、院長室(事務室)をもう少し広く取っておけば良かった-など、開業前は想像もつかない"気づき"があります。しかし一番大きいのは、開業前に勤務医として診療していた時と、開業後実際に患者を院長として診はじめることによって抱く今後の「理想」そのものが変わってくるということです。いい意味でも悪い意味でも、それらの乖離があるという前提で開業準備を進めることが肝要だと思います。

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