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開業事例

歯科医師

勤務医時代より自由になる時間は激減 開業にあたっては経営者の覚悟を

開業日:H22年3月
開業年齢:35歳
標榜科目:歯科
開業形態:ビルテナント

 チェーン展開するクリニックで雇われ院長をしていましたが、人間関係のストレスや個別指導が苦痛で開業を決めました。多くの歯科医師が所属するクリニックでは、各々が異なる方針を持って治療しているにも関わらず、指導が入ると院長が全責任を負うことになるので、非常にリスクが高い。ノルマもありましたし、年齢的にも潮時だと思いました。スタッフの引き抜きは、旧勤務先に気づかれないよう気を遣いました。引き抜いたスタッフは前勤務先の院長と不仲であったため結果的にあまり問題にならなかったのですが、引き抜きのことはと口止めし、私より1カ月ほど退職を早くしてもらうなど工夫しました。
  「開業は自宅の近くで」と考えていたので、妻と二人で不動産屋を回って先に物件を決め、そのあと開業準備に着手しました。知り合いが紹介してくれたユニットメーカーの開業支援担当者に相談しながら進めましたが、前の勤務先を辞めて開業まで1カ月しかなかったので、何せ慌ただしかった。開業地が決まって資金繰りが落ち着いた後は、ほとんど業者任せでした。
 開業費用は国民生活金融公庫から3800万円、親族から700万円借りました。医療機器購入費はユニット3台とレントゲンで2000万円。内装は業者に任せきりでしたが、モデルルームのような凝ったインテリアにしてくれました。費用は1300万円。材料はそれほど高価なものは使っておらず、見た目よりお金がかからなかったのは良かった点です。
 広告・宣伝も広告代理店任せ。チラシを見て来院する患者さんが多いので、一番効果があったのはポスティングだと思います。1階でバス通りに面している好立地なので、宣伝費用は合計で70万円程度とかなり節約できたと思います。診療圏調査では1日の患者数=8人という数値が出ましたが、実際は15~20人くらいで、滑り出しとしてはまずまず。楽な生活には程遠いですけどね。
 開業したら勤務医時代より自由になる時間ができると思っていましたが、むしろ逆ですね。勤務医のときより患者さんを多く診ているはずなのに、経済的にも時間的にも全く楽にならない。診療以外の雑用(税務や労務管理)もこなさなければならないし、勤務医と違って、仕事を休むと休んだ分収入ダウンにつながります。また前述と相反しますが、治療について全責任が自分にかかってくることも自覚しなければなりません。都市部は歯医者が多く競争が激しいので、田舎の住宅地などに比べるとリスクは高い。患者さんも美容室感覚で歯科医院を選ぶ時代になっていますから、それはよく承知しておいた方がいいと思います。また業者は彼らの利益になる部分は熱心にやってくれますが、謝礼を手にした後の反応は鈍いということも開業後に感じた点ですね。 私の場合、資金調達の目途も立たないうちに開業地を決め、かつ時間もなかったため後半はかなり慌てました。開業にあたっては、全体の流れ(計画-資金調達-業者選定など)を押さえた上で準備を始めることが大事だと思います。

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