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開業事例

歯科医師

スタッフ確保のためにも駅周辺での開業を

開業日:平成20年7月
開業年齢:35歳
標榜科目:歯科
開業形態:ビルテナント

 勤務医に限界を感じたため開業することを決意しました。それまでは分院長を務めていましたが、日常の診療で培った治療方針が理事長の一言で変えられてしまう。これだとそれまで積み上げてきた患者さんとの信頼関係も崩れてしまいます。自分の理念を追求したい、これが大きな理由でした。
 開業したテナントは元々美容院でした。造りが美容院の仕様だったために内装工事は通常のテナントよりも費用がかかりました。2階建ての建物なのでエレベーターはなく階段が設置されていたのですが、階段は全て取り替えました。美容院では比較的若年層をターゲットにするため問題ないとは思いますが、医療機関にしては階段が急だったのです。そこで段数を増やしなだらかにしました。地域柄、高齢者も多くいますから。
 開業準備はメーカーにお手伝いいただきました。開業地の選定も依頼したのですが、彼らは"売りたい"物件しか紹介してくれません。実際、候補に挙がった全ての開業地について顧問の会計士に診療圏調査を依頼したのですが結果は散々なものでした。彼らは実際に足を運ぶことなく、図面上での判断で物件を勧めることが多いように思います。図面上の情報だけ見れば、広さもそこそこだったり、以前はコンビニエンスストアが入っていたりと悪くないように思うのですが、実際はそれだけで判断できない情報の方が多いのです。そして開業予定地には足を運ぶこと、しかも朝昼晩と時間を分けて。それぞれ景色も違いますから。日が昇っているうちは人の流れができていても、夜になるとぱったり人がいないことも良くあります。
 そして、例え競合相手が多くあっても駅周辺での開業をお勧めします。まず患者さんにとっても交通の便がいいのは言うまでもありませんが、スタッフ確保のためにも重要な要素になると考えます。現在衛生士は募集してもなかなか集まりません。そこで通勤のネックが生じてしまうとそれだけでもハードルが上がってしまいます。私も実際駅からバスに乗るような郊外の住宅地で開業しようと思っていました。周囲が住宅地ということもあり確かに集患に苦しむことはなさそうな場所であったと思います。しかし、郊外開業の場合、スタッフの通勤のための駐車場や駐輪場を確保しなければならない場合があると周辺の関係者に聞きました。ただでさえ開業当初は運転資金の心配がついて離れません。避けられる支出は抑えるべきだと思います。
 開業当初は妻も医院のスタッフとして働いていました。身内は給料もかからないからメリットがあるなどという話を多く聞きますが、やはり仕事とプライベートは分けるべきだと思っています。またスタッフは全て女性ですので人間関係が難しい。他のスタッフは気を使うでしょうしね。今でこそ開業時のスタッフの大方が入れ替わり円滑に運営できていますが、その辺りはなかなか難しいものです。スタッフ雇用については勉強すべき、良くも悪くも医院の印象はスタッフによって決まってしまいますから。
 "しっかり診療ができて当たり前。そこからのプラスアルファが勝負"と私は考えています。技術については言うまでもなく、それは患者さんとのコミュニケーションについても同様です。これだけ歯科医院が多い現在、患者さんは他にないプラスアルファを求めています。私は意識的に"くだらない"話をするようにしています。そういった話こそ重要で、治療に関連する話より一歩患者さんの懐に入ることが、患者さんとの信頼関係を作る有効な手段だと思います。
 勤務医時代はまず技術を磨くべき、収入は二の次です。私が最初に勤務した医院は最先端の技術を提供していましたが、私の給料は衛生士より低いものでした。院長は"カリスマ"のような存在、患者さんも多い。ですからそれなりに苦労があり、いつも辞めることばかり考えていましたが、今となってはあそこで我慢していて良かった。盗める技術は盗む、こればかりはお金に変えられないものです。自己資金は多いに越したことはないですが、技術の土台を作ってから徐々に貯蓄をしても遅くはないと思っています。

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