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開業事例

歯科医師

建築許可取得までの期間と建ぺい率に注意

開業日:平成20年9月
開業年齢:42歳
標榜科目:歯科
開業形態:戸建て

 私は、神奈川県で開業する前は東京で10年開業していました。東京での開業はテナントによるものでしたが、テナント料を支払い続けることと土地を購入し戸建て開業していくことを比較し考え、自宅兼医院を建てよう決意しました。土地を購入しての開業となると、駅前など立地のいい場所は資金的に難しいと判断し、駅から離れている住宅街など、普通の住宅を買うような感覚で考え土地を探しました。
 9月に開業したのですが本当は5月に開業をする予定でした。医院を建てるのに市役所などの審査許可を取得するのに時間がかかったのです。耐震構造偽装事件後は建築許可に大変時間がかかるようになり、行政では月2件程しか審査できないということでした。これから戸建て開業を考える方は注意すべきです。開業日から逆算して、許可申請の際、許可が下りるまでの期間を具体的に詰めておかないと、施行工事や内装工事、医療機器導入など、すべてのスケジュールが狂ってしまいます。もう一つ、戸建て開業で考えなくてはならないのは建ぺい率の問題です。柱の位置や耐震構造上の建築基準をクリアしなければならず、設計においても大幅に変更をすることになりました。結局、実際にイメージしていた建物の構造にはなりませんでした。
例を挙げますと、私は空調の室外機と壁の間に一定の距離が必要ということを知らず、後から知ることになりました。これにより室外機のスペースを確保する分、診療室の一部を修正する事態となり、最終的にはユニットの設置位置に影響しました。患者や人の動線が想定から変わることになったのです。
業者とのトラブルもありました。保健所の指導もあり、窓ガラスとして防火対応のガラスを入れていたつもりでしたが、実際はそうではなかった。ガラス業者が防火対応でない普通のガラスを取り付けていました。騙されていたことになります。交渉し、その取替え費用は業者に負担させました。
 これから戸建て開業を検討する方は、国や県の建築許可期間及び建ぺい率に関しては十分注意することが必要です。それらを念頭に入れて計画を立てていかれることを薦めます。

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