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開業事例

歯科医師

運転資金は最低でも1年分

開業日:平成20年12月
開業年齢:50歳
標榜科目:歯科
開業形態:居抜きテナント

 開業前はしばらく医療法人の分院長をしていました。法人が医院を売りに出すことになり、それがきっかけで開業を決意しました。この居抜きの物件を見つけたのは、友人が窓に居抜き物件として案内が貼り出されていたのを見つけ、交渉を開始しました。偶然にも、開業地は私が10代を過ごしていた地元でもあり、土地柄をよく知っていたことも開業地に選んだ理由です。居抜き開業は費用を抑えることができるので、最初から居抜きの物件を探していました。
 元々は開業するつもりがなかったこともあり、すでにマンションも購入していたので貯金はありませんでした。この物件は、前の先生が開院されてから二十数年経過し、個人的理由で閉院されたものでした。内装は、かなり古くなっていたため、業者にリフォームを依頼しました。リフォームの内装費用は、作業中に追加修正をする必要が出て、予定より約100万円多くかかりました。古い物件には、当初の見積もりより費用が発生することもあるので注意が必要です。
 医療機器は、必要最低限の装備で、また初期投資費用をできるだけ抑えるために、中古も視野に考えました。中古でも新品とそんなに差はないと思っていたので、新品にこだわりませんでした。ユニットも最低限の機能があって一番安いものを基本に、1台を新品、残り2台は中古で対応しました。最初は出来るだけコストは抑えて開業した方がよいでしょう。
 運転資金は一応6カ月を考えましたが、現在の歯科の現状では、少なくとも1年分は準備した方がよいと思います。開業当初はやはり患者さんが少ないので大変です。丁寧に診療しても、口コミで評判が広まる時間は1年から2年かかります。既に開業している先生でさえも厳しい状況ですので、これから開業する先生には「運転資金は1年分を確保すべき」と助言します。
 職員の採用はインターネットの求人サイトで募集しましたが反応はよかったです。ホームページは、職員採用にも、患者様への情報提供においても絶対に必要と考えます。駅にも求人募集を貼り出し、開院のお知らせも兼ねました。衛生士を2人、雇用しました。
 私は、友人のコンサルタント会社に、開業の手伝いをしてもらいました。友人や先輩、後輩などできるだけ多くの情報を得て、その情報を基に、自分の必要な情報、生かせる情報を選定するとよいと思います。 
 開業に際しては事業資金計画をしっかりした数字で立てることが大切です。そして開業しようとする時は、いろいろな業者の方が声をかけてきます。その中から本当に信頼出来る人を選んで、情報を得るということが大切です。今は開業しても、すぐに閉院する先生も多い時代です。よほどの覚悟と資金計画を持つことが肝要と考えます。

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