歯科医師
設計・施行は別業者に依頼し多くの見積もりを
開業日：平成19年11月
開業年齢：39歳
標榜科目：歯科
開業形態：テナント
開業を考えたのは、勤務医を続けるには将来的な雇用の不安などのリスクは拭えないためです。勤務医は、続々と若い歯科医が出てくる中で、年齢や視力の衰えなどでいつ契約を解除されるかという不安を絶えず抱えていました。
開業に際しては、まず、歯科治療材料業者に相談し、会計事務所を紹介していただきました。診療圏調査は会計士に依頼しました。開業を決めた場所は、ある程度予想していましたが、老人世帯が非常に多い地域でした。開業資金は公的機関から2000万円、親族からも借り入れを行い、資金計画・事業計画書等は会計事務所が作成し問題なく融資を受けることができました。
設計・施行については問題が生じました。依頼先は、歯科医院専門の設計施工業者ということで安心していましたが、いざ完成してみると診療に則した設計ではありませんでした。結果的には、院内のデザインや雰囲気に重点が置かれており、オープンして実際に診療してから問題がでてきました。設計ではシックなムード作りにこだわりすぎたのが問題の原因でした。待合室は問題なかったのですが診療室の照明が暗くなってしまった。歯の色を見るのが大変なくらいで、歯科治療にとって大きな障害となりました。設計の段階からこのような点を注意して細心を払って指示しておけば良かったと思います。また、トイレの防音対応など、後から分かることが多く、コンセントも必要なところに設置されていないなど問題が山積しました。やはり勉強し、それら設計の知識をこちら側が身につけておくことも非常に大切だと思います。実際私は、新たに費用がかかりますが近く改装しようと考えています。
コストを考えると、設計と施行は別の業者にしたほうがいいと思います。同じ業者にしてしまうと、その業者の言い値を飲まざるを得なくなってしまいます。施行業者は別にして複数の業者から見積もりをとればよかった思います。ユニットなど医療機器は、業者に設計段階から相談に応じてもらっていましたのでスペースや人の動線は問題ありませんでした。ただし、開業時に世話になったので今でも治療材料などを購入していますが、関係上、他業者に見積もりを取りづらい面があるのが難です。
